ごまふの中国日記

2015年3月、日本語教師をするために東京から広東省珠海市に引っ越しました。大きなカルチャーショックはないけれど、毎日のなかで小さなギャップは感じるもので。忘れないうちにそんな小さなことをメモしていきたい。

相手が中国人だと思うと腹が立たないことって多い。

海外で生活を始めると、程度の差こそあれ、誰もがその国の文化にマイナスの衝撃を受ける「ショック期」があるという。

一方、それに対抗する手段(?)としてエポケー(判断留保)なるものがあるという。

海外でカルチャーショックを受けても、それをああだこうだと判断してストレスを溜めて辛くなるよりも「やりすごして乗り切ろうよ」ということだとごまふは理解している。

 

で、ごまふの場合。

中国に来て以来、とくに大きなショックもないし、腹が立つということもない。

 

勤め先の学校では授業時間の変更を当日聞かさせることがままある。来週から新しいクラスがはじまるからよろしくね、ともときどき言われる。対応できるレベルのことなので、わかりましたと流してるけど、おそらく日本にいたらこうはいかない。

変更は一週間前に言ってください、新規クラスの担当は一ヶ月前に言ってくださいとかなんとかキャンキャン言っただろうなと思う。

前職だったら、当日言われても困りますよ、と対応しなかったかもしれない。

 

中国出発の前日。東京でハローワークに行ったとき、ごまふは担当者にちょっとかみついた。筋が通らない書類は出さないよ、と。

(ごまふは前職をやめて中国に来るまで失業給付を受けていた。

失業給付の受給についてはいろいろ条件があるけど、ごまふは中国での仕事が決まって、本来は就業開始日前日まで給付を受けられるところを、始業開始日前日より前に中国に行ってしまい、就業開始日前日にハローワークに行けないという理由で、中国出発前までの支給ということで話がまとまっていた。

が、出発前日に行ってみると、いや今日来たってムリ、就業開始日がわかる書類を提出しないとダメですよ、と言われた。その件に関しては、前回ハローワークに行ったときに、書類はいらない、中国へ行く前、本人がハローワークに顔を出せばその日まで支給すると言われたのに、だ。

なのでごまふは、就業開始日が証明できたって、その前日まで支給されるわけじゃなし、しかも書類なんて職場からいつ発行されるかわかんないし、中国から送って確かに届くかもわかんないし、絶対提出しないよ。こちらは約束を守って出発前に来たんだからさ、話がちがうじゃん、と言った。

すると当日の担当者は物分りがいい方で(こまったちゃんに慣れてるというべきか。担当者は毎回変わる)、それは確かにおっしゃる通りですね、とはいえ書類は絶対必要なので遅くてもいいから送ってください、そのかわり、出発前日までの支給でなく、就業日前日までフルで支給しますから、と言ってくれた。

それで「しゃーなしやで」とごまふはむいた歯をしまった)

学校の連絡関連とハローワークとでは、お金がからむこともあり、ごまふ自身の真剣度がちがうといえばちがうけど、日本にいたときは、ちょっとしたことでも(表明するかどうかは別として)「えーまじー」と思ってよくイライラしてた気がする。

 

なのに、中国へ来て以来、そういうイライラがほぼない。

(ごまふの中国語が貧弱だからあきらめたってわけじゃないよ。学校に限っていえば、先生方(中国人)は日本語が堪能なので、ちゃんと日本語で意思の疎通がとれる。なので不満を述べようと思えばできる)

 

ここは郊外なので、人と接することが極端に少ないから、そもそもストレスが少ないってのはあると思う。

でもよく考えると、小さなことでも日本にいたら確実に「えー」と思ってたにちがいないことって、あるといえばある。

たとえば

・寮の部屋のテレビ。2ヶ月前に配線をお願いしたが、まだ。

・学校の教室の DVDレコーダー&テレビ。これで教科書の音源を流すんだけど、管理のおじさんが電気代節約のため毎日ブレーカーを落とす。それはいいけど、授業が始まってもブレーカーを入れない。授業に支障をきたす。

・近所の工場の人々が歩きながら弁当などを食べてる。で、食べ終わったら入れ物ごと道に投げ捨てる。ゴミ箱は近くにあるけど。

・寮は廊下も部屋も●●●リが我が物顔で歩いている(これは関係ないか)。

・部屋にデスクを置いてもらったが、最初からカビだらけ。何回拭いてもカビだらけ。

など。

他にもあると思うけど、あんまり思い出せない。

まあ気になっても「ふーん」ぐらいなんだよね。

どうしてもゆずれないことは改善してもらったけど(教室の電源と部屋のデスクの件)。

それもとくにイライラするわけでもショックを受けるわけでもなく冷静に対応してもらったし。

でも日本で同じ事があったら確実に怒ってたと思う。

 

もしやこれがエポケー(判断留保。判断しない)?

ショック期?

ごまふ自身は実感ないけど、ショックすぎていろいろ流してるのかもしれない。

 

ただひとつだけ、ごまふが確かに感じてることは、このあたりの人はみんなおおらかだなということ。

店でご飯を食べても骨とか床や道に吐き捨てるし、トイレに行ってもハンカチを持つ習慣がないから、学生たちもそのまま、床をベタベタにして戻ってくる。そういうのを見てると、一瞬「わわ」と思うものの、ここではこれでいいんだなと思う。むしろ、おおらかだなあ、そういう雑さを許さない日本人って神経質だったのねーぐらいに思ってる。

だから、ごまふの日本にいた時の価値観を持ち込んで何か言ってもなんかちがうような気がする。なんか話してわかることじゃないっていうか。あきらめ?

(思えばハローワークでかみついたのって、正論なんだから、日本人なんだから話せばわかるはずって思ってた。話せばわかるって今思えばけっこう甘えだって気さえしてる)

 

あでも、そもそもここは中国だからってのもある。日本で同じことをされたら外国の人といえど、「えーまじか、マナー守ってよ」と思うにちがいない。ここは中国(ひと様の国)だから、よその国の習慣に口出ししたくないって気持ちもかなりある。

 

そのあたりも含めてエポケーってやつなのかな。どうなんだろ。

 

ちなみに、きょうの日記はどうしてこんなテーマなのか。

さっきユニクロでシャツを買って帰ってきたんだけど、商品タグがはずされてなかった。(このタグはムリにはずすと液体がドバッと出るやつ。たぶん)

ごまふの寮からユニクロまでバスで往復2時間。もう一回行くのは正直めんどう。

東京にいたら、店に電話して軽くクレームを入れて出かけたと思う。

でもいまは、「まあそういうこともあるよね、あした行こう♪」なんて思って、自分で自分にすこし驚いた次第。

あれ、ごまふも、おおらかになってる?

 

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